神宮外苑絵画館日本画教室

コロナの影響で教室日程変更あります。下記記事ご確認下さいませ。 東京新宿区、神宮外苑絵画館日本画教室のブログです。伝統的な日本画の技術を学びながら、よりよい絵に近づけるよう制作をしています。初心者はデッサンから日本画の基礎を学べます。絵を描く喜びを感じていただければ幸いです。初心者クラスも開設。受講生募集中。講師:前本利彦

銀箔を焼く

以前のお教室のレポートします(^ ^) 硫黄を使って銀箔を焼く技法です。スペシャル!!

【準備するもの】 

1、粉末状の硫黄 (日本画の画材を置いている画材屋さんにあるそうです。)

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2、ザルとスプー

写真左の台所用の金属ザル、または写真右のふるい、どちらでもOK。 台所用ザルを使う場合は底をへこませて平らにした方が均等にまくことが出来ます。1㎜位の網目が理想。スプーンは硫黄をザルに移すのに使います。

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3、小さなハンド箒とちりとり

その他 ドーサ関連一式、化粧用コットン、新聞紙、雑巾

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【表面の浮いた箔を取り除く】

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前回のレッスンを受けて今回は、パネル全面に箔を貼ったものを各自教室に持ちこみました。まずは乾いた化粧用コットンで表面をこすります。するとボロボロと箔がとれますが、浮いた箔はいずれ取れてしまうので焼く前に取り除いておきます。均等に貼ったつもりが、ポロポロ取れてショックを受けている人も多かったけど、先生曰く「取れたのも味と考えましょう」とのこと。ここでは水分はつけちゃダメです~。

硫黄をパネルに乗せる】

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新聞紙を敷いた平らなテーブルにパネルを置きます。次にスプーンで硫黄をザルにとってから写真の様に銀箔の上に硫黄を乗せていきます。先生はザルを動かすのではなく、ザルの端を指で軽くひっかいて振動をあたえながら硫黄を落としていました。全体に均等にうっすら積もるくらい銀箔に乗せます。

あとは風の無いところで静かに置いておきます。教室では4時間ほど置きました。置けば置くほど焼きが進んで黒くなっていくそうです。真っ黒にするには一昼夜ぐらいかかります。

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硫黄を取り除く】

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数時間置いた後、ハンド箒で硫黄を取り除きます。すると焼かれた銀箔が登場!!

使い終わった硫黄はまた使えるので捨てずに残しておきましょう。先生は30年以上この硫黄を使っているそうです。箒で取り除いた後はコットンできれいに硫黄をぬぐい取り、さらに固く絞った雑巾で軽く表面を拭いて、硫黄をすべて取り除きます。この、硫黄を完全に取り去るということが一番肝心要だそうです。

【ドーサをひく】

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ドーサを3回ほどひきます。ドーサをひかないとさらに焼きが進んでしまいます。以上、銀箔を焼く作業はこれで終わりです。

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みんなでワイワイ、楽しいひと時でした。

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箔あしなど膠がついていたところは焼け残っていますね。箔の修正箇所もバッチリ残ります。これも味としましょう。焼けムラが出るのは、銀箔を張った時のニカワの量とか、硫黄を置いた時間とか量とかによるようです。一昼夜ほどおけばムラなく真っ黒になるそうです。途中で止めるとこんな感じ。いい味です★