5月の教室から 完成作品を中心に講師の寸評を添えてご紹介致します。
◍ 土曜日クラス
古田Mさん
前回の芍薬に次いで二作目の作品です。今回の作品も岩絵の具の表現効果に興味を持ち 様々な工夫をしながら描いています。背景にかなり広い空間を取って菊を描きました。空間をどう処理するのか見ていましたが 薄墨で地隈を着け 空間と同時に雰囲気を作りました。葉にも墨の溜め染みを作り 一つの趣を出しています。効果を勉強しながら自分らしい感覚を見つけて欲しいと思っています。
◍日曜日クラス
福嶋さん
これも小品ですが 良くまとまっていると思います。福嶋さんは描写が上手い方ですが この絵は構図が良く出来ており 右側にカーブしている枝の曲線に対向する葉の向きや分量 それにそぐうように 朱色の柿の実がバランス良く配されています。金泥で描かれたバックの地隈も 位置・分量共に的確で 効果的に出来ました。
◍木曜日クラス
吉永さん
吉永さん
0号と言う小品ですが 彼岸花を二点描きました。吉永さんの絵は いつも穏やかな幸福感に満ちています。絵の具の柔らかな発色は天性としか言えません。昔 西洋でも素朴派と言う絵が隆盛しましたが またそんな時代が来る事があるのだろうかと ふと考えてしまいます。現代の 作為の氾濫にはそろそろ飽きが来ています。
山本さん
山本さんは今回は縦長の構図に鮮やかな色で クレマチスを描きました。透明のコップも何気なく描いており 実に絵の上手い方です。上手さを誇るでもなく てらうでもなく 素直に描きたいものを描きたいように描いているところに 改めて感心します。表現がパターン化されていないので その都度作者の気持ちがよく伝わります。
大西さん
野にあるクローバーを絵にしました。4号くらいの小品ですが 構図 花の配置などはおおにしさん大西さんらしく巧みです。色も渋目にまとまっていると思います。バックの草原は絵の具を爪楊枝などで引っ掻いて表現しました。その効果もこの絵に良く合っており やはり大西さんらしい洒落っ気が感じられます。
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