十月の教室から完成作品を講師の寸評を添えてご紹介致します
🍁土曜日クラス
大場さん
大場さんは長く日本画を描いており 確かな自分のスタイルを持っています。それは 自分の資質に基づいた間違いのないものだと思います。このスタイルを良い方向に磨いて行く事 それには何が必要か 私も応援しますが自分でも考えて行って欲しいと思います。
古田さん
以前にも書きましたが 古田さんの良いところは 何が描きたいか確かなイメージがあることです。それに向かって技術を覚えようとする意欲があることです。今回の作品も技術の進歩が見られ 菊の花の描写が良いと思います。まだ頭でこしらえたイメージが先行するので 観念的なところを感じますが少しずつ 目で見て感じる実感から出るイメージが入るともっと絵が確かになってくると思います。
水野さん
岩絵の具を使い始めて一枚目の完成作品ですが 水野さんの気質が良く表れた絵だと思います。清浄で繊細な気質を 素直に磨いて行ければとても良い絵が描けると思います。少しずつ前に進んで下さい。
🍁日曜日クラス
柴田さん
柴田さんも長く日本画を描いていますが ここのところの二・三点は 以前描いていたスタイルと変わって来ました。もともと感覚的な 色感の良いタイプですが モノクロームに近い作品が多くなりました。それでも 色感の良さはよく出ていると思います。今のスタイルが大分板について来ましたので 次の作品を楽しみにしています。
真篠さん
今回の作品は始めて箔の貼り方を学びました。作品としては構図が良く 写生の良さが生きて来ました。花の表現も 胡粉の使い方が上達して来ており箔の下地と相俟って風情を感じます。写生を基本に 絵の具を使う技術も順調に 段階を追って進歩していると思います。
黒瀬さん
黒瀬さんも箔の貼り方を学び作品にしました。ドーサの掛け方が悪く 箔が黒っぽくな
ってしまいましたが 結果的にはそれが花を映えさせ絵を面白くしました。花の描写は黒瀬さんらしい思いきりの良さが絵を活き活きとさせています。
🍁木曜日クラス
新井さん
新井さんも初心者として花の鉛筆デッサンから始め 段階を追って順調に進歩して来ました。基本的な描写を身に付けることが 今後生きて来てどんな形で自分の創作に繋がって行くかとても楽しみです。
吉永さん
今回の吉永さんの作品は揉み紙の上にツワブキを描きましたが 揉み紙の上に絵の具を乗せるのは なかなか苦労しました。小品ですが 構図も吉永さんらしく工夫し 相変わらず色彩の良さを発揮していると思います。
丸山さん
丸山さんは三点の完成作品ですが どれもそれぞれ良く描けており 絵の上手さを持っている 素養を感じます。三点ともはっきりと力強く これも丸山さんの資質にある物です。造形感覚が良く それが頭で作ったものでは無く 気持ちから出た形なので より絵の豊かさになっています。
⁂ 三人展のお知らせ
当教室で日本画を学んでおられる 澤部さん・福島さん・齋藤さん の三人展が開催されて居ります。ご高覧いただければ幸いです。
予てからお知らせいたして居りました 当日本画教室の方々の作品を 世田谷美術館にて展示致します。ご高覧賜ります様 一同心よりお待ち申し上げております。
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