神宮外苑絵画館日本画教室

コロナの影響で教室日程変更あります。下記記事ご確認下さいませ。 東京新宿区、神宮外苑絵画館日本画教室のブログです。伝統的な日本画の技術を学びながら、よりよい絵に近づけるよう制作をしています。初心者はデッサンから日本画の基礎を学べます。絵を描く喜びを感じていただければ幸いです。初心者クラスも開設。受講生募集中。講師:前本利彦

作品紹介 2018・9

   9月の教室から完成作品を講師の寸評を添えてご紹介致します

 

❍ 木曜日クラス

 

 

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                                 松本さん

 

今回の作品は 今迄の松本さんの絵の中でも傑作の一つではないでしょうか。

松本さんの優しい 哀感を持った人柄が充分こちらに伝わって来ます。

絵の具の美しさも発揮され 技術も素直でてらいが無く とても良いと思います。

正直に 素直に 勇気を持って 日本画を学んで行って下さい。

 

 

 

 

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                                 大橋さん

 

大橋さんはこの教室で日本画の素描から始め 岩絵の具の使い方を覚え 日本画の方法を身につけて行っています。この作品は特に 白い百合を胡粉を使って表現する 胡粉の使い方を学びました。葉の色の変化で空間を作り 花瓶もわずかな色の変化で 丸みや磁器の質感も感じさせようと工夫しながら描きました。このように 日本画の基礎を身体に染みこませていくことが大切に思います。

 

 

 

 

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                                 上原さん

 

上原さんの作品の特徴は タップリとした豊かな資質を持っていることだと思います。構図も絵の具の扱いも伸びやかです。今回の絵では 特に椿の花が瑞々しく匂うように描けました。今後もあまり型にはまらず おおらかにかんじたように描いて行ってほしいと思います。どんな絵が出来てくるかとても楽しみです。

 

 

 

 

 

                 🍂

 

作品紹介 2018・8

    八月の教室から完成作品を中心に講師の寸評を添えてご紹介致します

 

🌻木曜日クラス

 

 

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                                                                                                              大西さん

 

大西さんらしい シャレたセンスを感じます。しかし そういった絵に在りがちな軽さはありません。モチーフを良く見て 感じ取った写生がしっかり出来ているからだと思います。次々と描きたいものが尽きないのも 大西さんの良いところです。感受性が豊かなのだと思います。

 

 

 

 

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                                 仲井さん

 

宙を舞うイメージで スイトピーを描きました。花と蝶のイメージを重ねたのかもしれません。背景のトーンも工夫し 空間を舞うように良く描けました。絵の具に透明感を持たせる勉強が出来て来たと思います。

 

 

 

 

🌻土曜日クラス

 

 

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                               天野Keiさん

 

堅実に少しずつ技術を学んでいます。まだ 花から受ける印象を自分なりに感じ取るまでには及びませんが 技術を学びながら 自然の美しいところに思い入れる感性も同時に磨いて行って欲しいと思っています。

 

 

 

 

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                                 天野Kさん

 

水の中に泳いでいる亀を描きました。亀はあまり具体的に描かれていませんが それが却ってリアリティを感じさせます。水の表現を含め 全体の淡い色合いが良く その中で黄色の蝶がアクセントとなり 優しい和らぎを感じる作品になりました。

 

 

 

 

 

🌻日曜日クラス

 

 

 

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                                 黒瀬さん

 

揉み紙の上に青いバラを描きました。私の揉み紙の指導がまだ不充分で あまり上手く出来なかったのですが 黒瀬さんの良いところはそれでもめげずにどんどん前に進めるところです。立派に完成作品として仕上げた強さが作品に良く現れています。

 

 

 

 

 

                🌻  

 

 

作品紹介 2018・7

7月の教室から 完成作品を中心に講師の寸評を添えてご紹介致します

 

◍日曜日クラス 

 

 

 

 

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                                 陳さん

 

良く描きこんだ重厚な作品です。絵全体 特に女性の表情に静謐な気品が感じられます

現代の風潮とは逆行しているように見えますが 美術の高さ 奥行き 理想 などをもう一度考えさせる絵です。美術の創造性は アイデアの操作からだけで出来るものではありません。この絵を見ていると 絵は意識以上の もっと深いところから出来て来ることを思わせてくれます。

 

 

 

 

 

◍土曜日クラス

 

 

 

 

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                                天野Kさん

 

水鳥が水の上を飛んでいる絵ですが 水の描写が色のタッチで描かれてい面白いと思います。鳥が飛んでいる動きや 光の反射などを感じさせ 天野Kさんが描きたいと思った情景が伝わって来ます。絵の具の使い方にも少しずつ慣れて来て 描写力も上達して来ました。好きなものを 選んで自由に描いて行ってほしいと思います。

 

 

 

 

◍木曜日クラス

 

 

 

 

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                                  松本さん

 

猫の絵2点ですが どちらも猫に愛情を持ち猫を良く知っている方の絵だと思います。小品で イラストのような描写とも取れますが 作者の気持ちが絵の内容になり それが絵画性になっています。日本画の絵の具 色の使い方など 技術的な進歩も見られます。身近な者に対する素直な愛情が絵の根本である事を思わせる絵です。

 

 

 

 

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                                鈴木Yさん

 

裸婦はかなり時間をかけて苦労した絵ですが 赤いガウンを絵の軸とし 粘り強く良くまとめました。描写の中に モデルの雰囲気とか空気 情感など具体的に目に見えないものがもっと含まれて来るとさらに絵が一段上がるように思います。ガクアジサイの絵も同様の事が言えますが 絵の具の扱いや描写力は確実に進歩して来ていると思います。

 

 

 

 

                  🌻 🌻

 

作品紹介 2018・6

6月の教室から 完成作品を中心に講師の寸評を添えてご紹介致します。

 

✬ 木曜日クラス

 

 

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                               澤辺さん

 

澤辺さんは教室でもキャリアの長い方の一人です。独自の詩情を持っており それは最初の時から今も変わりません。描写の方法も細部にこだわらず 絵全体の雰囲気に気持ちが行くようです。今回の絵は椿の上に雪が降りそそいでいる様子ですが 雪をえのぐを筆先から垂らす方法で表現しています。 また 絵が描き上がった上から全体に薄紙(天具帖という和紙)を貼り 雪空の空気を感じさせる工夫をしました。

 

 

 

 

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                                                                                                             鈴木Yさん

 

 鈴木Yさんもベテランの一人です。このところ花を多く描いています。今回の鉄線花は練習の成果が表れた作品になりました。表面は地味な作品ですが 芯に力強さがあり デッサンの確かさの上に 絵の具の使い方のテクニックが加わってきたように思います。凛とした鉄線花の張りが上手く表現され 品の良い作品です。

 

 

 

 

作品紹介 2018・5

5月の教室から 完成作品を中心に講師の寸評を添えてご紹介致します。

 

◍ 土曜日クラス

 

 

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                                              古田Mさん

 

前回の芍薬に次いで二作目の作品です。今回の作品も岩絵の具の表現効果に興味を持ち 様々な工夫をしながら描いています。背景にかなり広い空間を取って菊を描きました。空間をどう処理するのか見ていましたが 薄墨で地隈を着け 空間と同時に雰囲気を作りました。葉にも墨の溜め染みを作り 一つの趣を出しています。効果を勉強しながら自分らしい感覚を見つけて欲しいと思っています。

 

 

 

◍日曜日クラス

 

 

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                                   福嶋さん

 

これも小品ですが 良くまとまっていると思います。福嶋さんは描写が上手い方ですが この絵は構図が良く出来ており 右側にカーブしている枝の曲線に対向する葉の向きや分量 それにそぐうように 朱色の柿の実がバランス良く配されています。金泥で描かれたバックの地隈も 位置・分量共に的確で 効果的に出来ました。

 

 

 

◍木曜日クラス

 

 

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                                  吉永さん  

 

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                                   吉永さん

 

0号と言う小品ですが 彼岸花を二点描きました。吉永さんの絵は いつも穏やかな幸福感に満ちています。絵の具の柔らかな発色は天性としか言えません。昔 西洋でも素朴派と言う絵が隆盛しましたが またそんな時代が来る事があるのだろうかと ふと考えてしまいます。現代の 作為の氾濫にはそろそろ飽きが来ています。

 

 

 

 

 

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                                 山本さん

 

山本さんは今回は縦長の構図に鮮やかな色で クレマチスを描きました。透明のコップも何気なく描いており 実に絵の上手い方です。上手さを誇るでもなく てらうでもなく 素直に描きたいものを描きたいように描いているところに 改めて感心します。表現がパターン化されていないので その都度作者の気持ちがよく伝わります。

 

 

 

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                                   大西さん

 

野にあるクローバーを絵にしました。4号くらいの小品ですが 構図 花の配置などはおおにしさん大西さんらしく巧みです。色も渋目にまとまっていると思います。バックの草原は絵の具を爪楊枝などで引っ掻いて表現しました。その効果もこの絵に良く合っており やはり大西さんらしい洒落っ気が感じられます。

 

 

 

 

 

 

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作品紹介 2018・4

四月の教室から 完成作品を中心に教室の皆さんの作品に講師の寸評を添えてご紹介いたします。

 

 

💐木曜日クラス

 

 

 

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                              飛永さん

 

ピエロの扮装をしてポーズを取った小品ですが とても良く描けています。顔の表情も良く 手に持った棒の直線も画面を良く締めており ダイヤ柄 フリルの着いた襟の白 など形と色の変化も申し分ありません。小品ながら画面をいっぱいに使った とても良い作品だと思います。

 

 

 

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                               鈴木Yさん

 

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                               鈴木Yさん

 

鈴木Yさんは花の絵をあまり描かなかったのですが 練習したいと言って ここ数点花を描いています。描く毎に上達して行きます。椿は 揉み紙と言う技法を使ってバックに変化を付けました。色々工夫して楽しんでいます。基本的なデッサンがしっかりしているので 絵に力を感じます。更に鈴木Yさんらしい花が出来るのを期待しています。

 

 

 

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                                小林Cさん

 

何でもない身近な野草をよく観察して 愛情を持って描いています。花が大気に揺らぐ感じが良く描けています。絵の具の扱いも慣れたベテランですが へんに手慣れた感じにならないのがとても良い所だと思います。これからも描きたいものを愛情を持って描いて行って下さい。

 

 

 

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                                八巻さん

 

岩絵の具を使って初めて描いた作品ですが 少しずつ絵の具の扱いにも慣れて来ました。熱心に続けていれば まだまだ上達すると思います。日本画は根気が必要なのでじっくりと取り組んで下さい。

 

 

 

 

💐日曜日クラス

 

 

 

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                              小林Aさん

 

 

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                               齋藤Aさん

 

 

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                               真篠さん  

 

上の三点は 同時期に入会した三名の方の作品です。デッサンから始め 順調に岩絵の具の使い方を初歩から学び 三作目の作品が完成しました。素直で清潔感のある画面は三人とも共通しています。真面目で熱心に学んでいるので これからの進歩がとても楽しみです。

 

 

 

 

                  ❁❁❁❁❁❁

 

        明治神宮外苑絵画館日本画教室作品展 

 

2018年・11月27日(火) ~ 12月2日(日)  区立世田谷美術館・区民ギャラリーに於いて 教室の皆さんの作品を展示致します。どうぞお楽しみになさってください。

 

 

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                世田谷美術館

 

 

 

 

                 ☀ ☀ ☀

作品紹介 2018・3

三月の教室から 完成作品を講師の寸評を添えてご紹介いたします。

 

●木曜日クラス

 

 

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                               竹渕さん  (部分) 

   

   

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                           竹渕さん

 

この作品は 教室で描く中では大きい絵で 縦は1メートル以上ある大作です。

出来上がるまで長い時間がかかりましたが これを持って教室に通うだけでも

大変だったと思います。その努力と熱意で 良い絵に仕上がったと思います。

もともと 落ちた葉っぱのスケッチがとても良く 枯れかかった葉から様々な

色を感じ取り それを秋の風情にしました。秋の風情は人生の風情に重なり

白い空間に様々な想いを感じさせます。

一つ残された柿の実は 次の世代の豊穣を願うものとの事です。

 

 

 

●日曜日クラス

 

 

 

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                              安部さん

 

 

 

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                              安部さん

 

安部さんの絵は写真では写りにくい 微妙なトーンと色彩と形で描かれています。

手に花を持つ。手から花がこぼれ落ちる。と言った 平凡とも言えるイメージが

描かれています。しかし トーン 色彩 形 マチエールと言った 絵を構成する

ものが 作者の内面的な気持ちと結びついているのです。正直な 感覚的な作品だと

思います。同時に花の形など 知的で敏感な感受性も見られるので これからも

スケッチを積んで 物を見る力を磨いて行って欲しいと思います。

 

 

 

 

●土曜日クラス

 

 

 

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                             天野Keiさん

 

岩絵の具を使って描いた 初めての作品です。コスモスを鉛筆で丁寧に写生し

それを基に作品にして行きます。色鉛筆の色と 岩絵の具の色は 色味も絵肌も違います。もちろん本当の花の色とも違います。絵は 写真のように その物の色や形に近づける事ではありません。絵はその人の想像の中にあるものだと思います。絵を勉強することは 想像力を磨くこととも言えます。天野Keiさんの絵は 始めたばかりですが これからどんな夢を描いて行くのか 楽しみに見て行きたいと思います。

 

 

 

 

              ❁❁❁ ❁